7つ上の翔太先生。
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「ここね、ちょっと消していい?」


って私がわかんなかった問題を私の消しゴムを取って、消してくれたよね。



私は先生が触ったんだ~ってニヤニヤしてたっけ。



シャーペン貸して、って手のひらを広げる先生の手をじーって見ちゃったこともあったよね。



それで、消しゴムのカスを机の端っこにまとめてゴミ箱に捨てる先生に見惚れたっけ?



…私はAB型だけどB型の方が強いからそんな几帳面なことをしたことが無かった。




そのまとめてゴミ箱へ向かう先生をずーっと見てた。


私もそれから几帳面になりたくて、学校とか家でも消しゴムカスをまとめてゴミ箱へ捨てた。



先生のマネがしたくて、


先生のような人になりたくて、


これはただの憧れとかじゃなかった。




私が長い消しゴムとか、面白い柄の消しゴムを持ってくと、


「何これ?」って消しゴムを触って、ケースを外したり、つけたりしてたっけ。


さりげなく私のものを触って…



先生の好き度が高くなっていくんだよ。





……消しゴムひとつだけでも、先生との思い出がたっぷり詰まってる。







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