7つ上の翔太先生。
さっきから…全然勉強も頭に入らない。



頭の中真っ白っていうのは、こういうことを言うんだ……と改めて実感する。




「これ?プリントそう???」


先生の声が背後から聞こえるとともに、私は我に戻る。


名前が書いてないプリント、角ばった字。



「……わたしのです。」


いつものテンションがガタ落ちし、


手に力が入らない。



シャーペンも握れない。


「これ?わかる???」


私は首を横に振った、



「俺さ、丸付け溜まってるから最後でもいい?」



私は返事すらできなかった……今はほっておいてほしかった。


そばに寄らないでほしかった。




首を私は縦に振った。












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