【短】ずっと
黙っていたのは、数秒だったけど、その数秒が私には長く感じた。
そして、
「やってみたかったから。実桜の言う通り、レベルが違うと思う。
でも、負けるとかを恐れてたらこの先、前に進めない気がしたから。」
実桜には嘘偽りがないことを言いたい。
それには、これが限界だった。実桜はもう一度、体を倒して言った。
「ねえ、花恋。
そろそろ、話してくれてもいいんじゃない?
花恋が抱えている。
大きな秘密。私は、何があっても離れない。
親友でしょ」
実桜はまっすぐな目で私を見た。これ以上、隠すわけにはいかない。
ここで、言って楽になりたい。
実桜を信じる。