俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
揺れる絆
そして、会えない時間は、確実にあたし達を揺るがしていた。
「明日はもう学校か…」
休みの最後の日に、カレンダーを見ながらポツリと呟く。
今日の夜には、ママも帰ってくるはずだ。
きっと上機嫌と寂しさ半分半分の複雑な顔してるんだろうな。
想像してくすりと笑いをこぼしたのと同時に、「たっだいまーっ」と思いのほか明るい声が玄関へ飛び込んできた。
「あっ。ままだー!」
いくら那智兄が大好きで、あたし達がいれば落ち着いていられるとはいえ。
由那はまだまだ母を強く求める子供だ。
ここ数日一番の笑顔を見せ、タタタッと勢いよく駆けていった。
「お帰り」
後に続いてあたしも顔を出し、にこっと笑いかける。
「ただいま。元気してた? ありがとね」
「ママこそ。どうだったの?」
いきなりどうかとは思ったけど、ものすごく聞いてほしそうな顔をしていたから聞いてみた。
案の定、
「聞いてくれる!? あのねーっ…」
荷物をドサドサッと置き、由那を抱き上げながら、目を輝かせる。
お父さんとは久しぶりにラブラブできてよかったみたい。
頬を紅潮させて、本当に恋する乙女だった。