俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
――放課後。
ホームルームが終わると同時に、杏子がすっ飛んできた。
「ちょっとアンタ、何時間もなにやって――あら」
「へ?」
「ふーん…へえ? …むふふ」
な、なんだなんだっ?
小言が始まると思って肩をすくめたあたしを見て、ぴたっと言葉を止めると。
ニマニマと変な笑みを浮かべる杏子。
「な、なに?」
じりじりと後ずさりながら言葉を搾り出す。
「えっ!?」
バッと右側の髪の毛をはらわれる。
そして、一点をピシッと指差すのだった。
「……?」
見ようにも、自分の首筋など見れはしない。
相変わらずニマニマしている杏子から差し出された鏡で、指差された辺りを見てみた。
「…? ? ……あ!?」
え、なに、もしかしてこれ…!?
虫刺されのような赤い痕が…よく見ると一つではない。
「なんだー。よろしくやってんじゃない?」
「!!」
カッとすごい勢いで、顔から首まで熱くなるのを感じた。