俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

――放課後。

ホームルームが終わると同時に、杏子がすっ飛んできた。


「ちょっとアンタ、何時間もなにやって――あら」


「へ?」


「ふーん…へえ? …むふふ」


な、なんだなんだっ?


小言が始まると思って肩をすくめたあたしを見て、ぴたっと言葉を止めると。

ニマニマと変な笑みを浮かべる杏子。


「な、なに?」


じりじりと後ずさりながら言葉を搾り出す。


「えっ!?」


バッと右側の髪の毛をはらわれる。

そして、一点をピシッと指差すのだった。


「……?」


見ようにも、自分の首筋など見れはしない。

相変わらずニマニマしている杏子から差し出された鏡で、指差された辺りを見てみた。


「…? ? ……あ!?」


え、なに、もしかしてこれ…!?


虫刺されのような赤い痕が…よく見ると一つではない。


「なんだー。よろしくやってんじゃない?」


「!!」


カッとすごい勢いで、顔から首まで熱くなるのを感じた。


< 114 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop