俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

…や違う!

可愛いとかじゃない!


ぶんぶんぶんっと勢いよく首を横に振り、歩く先輩の前に回り、聞きなおす。


「ねえねえねえっ。もしかしてー…授業出てたんですか?」


「……小テスト」


…ほよ?

え、ホントなの!


思わぬ同意に、つい驚きを露にしてしまった。


「あのな。…テストはやるっつったろ」


ひぇ~~~!


「だいじょぶでした? 先輩」


「あんまり」


前に、授業に出ないのは「うるさいしうぜぇ」からと言っていたのを思い出し、聞いてみると、げんなりした顔でそう返ってきた。

先輩可哀そう。

かっこよすぎるばかりに…。


「本気で哀れみの目を向けるな」


「すみません……あ、そうだ先輩。聞いて!」


嫌がるかもしれないけど…翔くんのこと言わないと!

言ってどうすんだって話だけど…言わないと!



< 128 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop