俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

――数時間後。

家に帰って携帯を開けたり閉じたりしながら、先輩からの電話を待っていた。

だから……。



ピルルルルル…



電話が鳴ったときは、パアァッと顔中に笑みが広がった。



「もしもしっ」


『あ、悠由?』


「なんだ杏子か…」


つまんなーい。

杏子さっき別れたばっかー。


『なんだって失礼ね…。それより、あたし忘れ物した気がするんだけど…』


「え? 忘れ物?」


さっき、帰りにうちに寄っていった杏子。

そのときに忘れ物をしたと言うのだ。


きょろきょろと部屋を見渡すと、そういえば見覚えのない本が転がっている。


「あ、本?」


『そうそう! よかったー失くしたかと思ったわ』


「持ってこうか?」


大事なものなのかなーと思い、本を手にして聞いてみた。

推理小説? へー杏子が…。意外かも。


『ああ、いいよ。急がないし、明日学校……ああ!』


「わっ……」


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