俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

ついつい興味津々になってしまう。


「幼馴染みで……小さい頃は俺のこと守ってくれてたんだよ。泣き虫だった俺をね?」


幼馴染み…。

泣き虫だった翔くんを…?


「槙野くんが泣き虫?」


「あはは、そう。んでね? 今はすっごい可愛くなってて、めちゃくちゃモテてんの」


驚き顔の女の子に笑うと、また話し始める。


「ガキの頃からずっと好きで…ずっと一緒にいられるって、信じて疑わなかった」


……。

翔くん…?


「だけど彼女引っ越してって、十年くらい経ってここで再会したわけ」


ま、まさかそれって…!


「俺最初に彼女を見たときに、また好きになったんだ」


「……」


「同じ人に、二回、恋したんだよ」


まさか……まさか、それって…。

徐々に、どくんどくんと鼓動が早まっていく。


「ガキの頃の恋とも言い難い恋も、今の想いも、俺はたぶん一生忘れられない」


「……そ…っか…」


翔くん…。もしかしてそれ……あたしの…?


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