俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
人のことを言えないほどにあたしもとち狂ってるのかもしれない。
なぜか神様仏様に助けを求めた。
「せんぱ…っんぅ!? ふっ…んん…」
呼ぼうとしたらすかさず口を塞がれる。
しかも無駄に深い……。
「ふぁ…ん……」
そういえばさっきから……呼べば呼ぶほど機嫌が悪くなって…る?
な、なんで!?
あたしは先輩に「悠由」って言われると嬉しいのに……。
うれ……ん?
……翔くん。
先輩。
悠由。
俺は誰だ。
……。
なんか……分かっちゃったかも。
「っん……待っ…」
身じろぎをして先輩の胸を押した。
いやーあたしほんと、鋭くなったよね。
先輩のことに関してはね。うん。
「なに」
覆い被さるように体を倒していた先輩は、その上半身を起こして前髪をかきあげながら言う。
その仕草に、ついきゅんとしてしまった。