俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
『ったく…。六時には帰れよ』
「はい……ろくじ!?」
今から帰んないと家に着いたら六時前だよ!
杏子の家からだと、そりゃあまだ大丈夫だけど…。
てかだいぶ日も長くなってるんだし、六時である必要は…。
小学生じゃあるまいし。
反論しようと口を開きかけたとき、『じゃあな。時間守れよ』とブツッと電話は切れてしまった。
「……」
ツーッツーッとむなしく機械音のなる受話口を見つめ、しばらく呆けていた。
「兄貴か?」
「あ……はい」
しばらくして痺れを切らしたように先輩が口を開いた。
「なんだって?」
「あ…六時までには帰ってこいって」
「六時って…」
先輩も、同じことを思ったようだった。
反射的に時計を見る。
「…もう帰ったほうがいいんじゃねーの?」
はい…わたくしもそう思います…。
おにーちゃんのけち!