俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
明らかに不満な顔をしているあたしを見て、ふきだす先輩。
ちょいちょい、と手招きをされる。
「……?」
唇を尖らせたまま、ひょこひょこ歩み寄る。
ぺたんとまん前に座り込むと、包み込むように抱き込まれた。
「……」
ふわ~…。
あったかい…気持ちいい。
思わず背中に手を回し、胸に擦り寄った。
「また明日な?」
「…うん」
ぽんぽんと頭を撫でながら言われ、頷いた。
でも抱きしめられると離れるのが惜しくなる。
ぎゅっと服を握り、小さく息を吐いた。
「ああ…そうだ」
「え?」
仕方なく離れようとしたら、ぼすんと再び広い胸板に押し付けられる。
「……相手を思うってのはな。中途半端な態度とるんでも、突き放してやることでもねえよ」
「え…」
あまりに唐突過ぎて、一瞬何のことか分からなかった。
先輩はちゃんと、あたしが相談したいことも全部分かってくれていた。