俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
そこからは、杏子と一緒に学校まで行った。
「じゃあ…そのまんま先輩のとこへ逢引しちゃったわけっ?」
「あ、あいびきって…」
昨日の出来事を事細かに報告すると、その一言で片付けられる。
「またえらく思い切ったことしたのねぇ」
「だ、だって…。会いたかったんだ…もん……」
自分で言っていてなんだかものすごく恥ずかしくなった。
語尾を自然と弱め、徐々に赤くなる顔を隠すように俯いた。
「はーいはい。そろそろ夏だもんねーあっついわあ」
にやつきながら、わざとらしく手で仰ぐ。
「…ま、まだ涼しいもん」
六月で梅雨時だから、時々じめっとしてるけどね。
「よく飽きないわねー」
「飽きるって?」
「だってさ、付き合ってもう…半年以上でしょ? 落ち着いたっていい頃じゃない?」
落ち着く?
落ち着く……。
「……って、どういう意味?」
「いや…まあ、ラブラブなのもいいけどね」
「別にラブラブじゃないもん!」
「じゃああっつあつ」
そんな出来立ての焼き芋みたいな…。