俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

「もうちょっと……いて」


え……。


「お願い」


「……」


なんか……向けられる視線が、捨てられた子犬のように潤んでて。

小さい頃の彼のものと酷似していて。

思わず、


「うん…」


と頷いてしまった。


「……」


ベッド脇に持ってきた丸椅子に腰かけ、ぼーっとすること十数分。

ようやく規則正しい寝息が聞こえてきた。


内心ほっとした。

だって翔くんたら、ずっと手を握ってるんだもん。

さすがに弱ってる彼を突き放すこともできず…。


「ハァ~……」


大きく息を吐くと、そっと握られていた手を話した。



シャッ……



え?


ふと、カーテンの向こう側に人の気配を感じたかと思うと、ゆっくりカーテンが開いた。


「あ…!」


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