俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
そこにいたのは…。
「薫さん!」
先輩のお友達、久遠薫さんだった。
「しーっ」
「あ……」
口元に指を当てる様子が、妙に似合っている。
女癖の悪ささえなければ、本当に素敵な人だ。
「…そいつ、誰?」
寝るまで潜んでいようとでも思っていたのか、前触れもなく唐突に小声で聞いてきた。
「えーと…。クラスメイト…? あーいや…幼馴染みですかね…」
どうなんだろ…。
幼馴染みだよねどっちかっていうと。
「ふーん……。で、悠由ちゃんのこと好きなわけだ」
「え!? っあ…」
叫んでしまってから、慌てて口を押さえる。
「…な、なんで…」
「いやー普通分かるって」
いや…。
普通分かんないでしょ。
だってまともに会ってすらないじゃないですか。
「龍樹は?」
彼を知ってるか、ということだろう。
「まあ…色々と」