俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

話せば長いもんね、うん。


「そっか…ならいいけど」


薫さんが、話の分かる人でよかったっ!!


「じゃ俺もう行くね。またね悠由ちゃん」


「はい」


……いやあたしも戻んないと。

授業すっぽかしてるよ…。


薫さんを見送った後ハッと気が付き、そそくさと退散した。

後で様子見に来ればいいよね。


遅れた理由は、クラスの子達が話してくれていたので怒られずにすんだ。

あれで何気にモテる人なので、「槙野くんどうだった?」と何人かから聞かれた。

その度にあたしは、「大丈夫だと思うよ」と返す。


どうだったといわれても…お医者さんじゃないんだから、分からない。



「しかしアンタも人が好いよね」


休憩時間には、杏子にずばっと言われるし…。


「…人が好いって…病気で苦しんでるんだから…」


言ってから、翔くんがずっと手を握っていたことをふと思い出した。

けれどすぐに、頭を振って追い出した。


「ま、あそこでほっとくようなのは、あたしの悠由じゃないけどねー」


「あたしいつから杏子のものに…」


「ああ、彼❤のものか」


違わいっ!!


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