俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
聞こえないフリ。
だってまともに聞き入れると恥ずかしすぎるんだもん。
ドキドキしそうになる胸を抑え、体を預けるように傾けた。
「先輩ぃ~……」
好き…大好き。
ああ…言いたい。でも言えない。勇気がでない!
「なあ…。名前呼んでみ?」
「え?」
ま、前試みた結果散々だったんですけど。
「む、無理です…。だってだって先輩は先輩って感じで…」
なんか…り、龍樹とかそういうの…。
似合わないっていうか。
いやまあ名前なんだから似合わないもなにもないんだけど。
あたしの口からっていうのが似合わない。
「でも俺が卒業したらどっちにしろ、死んでも名前で呼ばせるし」
死んでも!?
死んでもって…しん……。
…卒業…?
そ、そっか。
今年で先輩、卒業だよね…。
「……でもせめて呼び捨てだけは勘弁…」
「ま、お前の好きなようにでいいけど」
ほ、ほんとっ?