俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
必死で頭をフル回転させ、恐らく何かしただろうことを思い出そうとする。
…いやいやいや分かんない分かんない!
なに!?
「…電話も出ねぇしメールも返さねぇし」
「……へっ」
で、電話? メール?
「……へ?」
「へじゃねーよ」
携帯ですか…なんだ…。
…ってあれ。
鳴ったっけ? 携帯…。
てか、あれ。…あれ?
いつも入れているはずのポケットが妙に軽い。
パンパン叩いてみるとそこにはどうもなにもない。
「……あ、あれ…」
上から下まで体中探ってみても、どこにもない。
「……えへへ」
「……」
ぎゃあーーーーっ!
ごっ、ごごごごめんなさぁいっっ!
……澤村悠由十六歳。誕生日を一ヵ月後に控えた夏でした。