俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
――一時間後、先輩はようやく手を離してくれた。
「悠由」
「はぁい?」
ちょうど休憩時間だし教室に戻ろうと立ち上がったとき、先輩が口を開いた。
「今日……」
「?」
一言言うと、それきり黙ってしまう。
言い難そうな顔をして。
「どしたの先輩」
「いや…」
「?」
「……今日、家来い」
はいっ?
「……」
「……」
え、あ。
それだけ?
それだけ言うのにそんな悩んだの?
「えっと……うん…?」
あたしもついつい戸惑って、曖昧な返事の仕方をしてしまう。
「大丈夫なのか?」
自分で言い出しておきながらなにか心配している様子。