俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

「じゃあその携帯で言おうとしたことってなあに?」


「今すぐ来い」


「……」


で。来てどうしようっていうの?


「来たんですけど」


というか連れてこられたっていうか。


「まあ……もういい」


いいのかよ!

あんな大騒ぎなことにしちゃって、もういいって…。

あそこに戻るあたしの立場は…。


色々文句を言いたいところだったけれど、言えば言うほどあたしが追いやられることは分かってたし、そんな時間もないのでとりあえず黙った。


「じゃあ…またお昼…」


「ん。頑張れよ」


……くっ。

なんか先輩が憎たらしい!

…でもかっこいい!

そこがまたムカつく!


悪循環を胸に抱え、ふらふらと教室に戻った。


人の多い廊下に出るにつれて、あたしを見てはひそひそ話をする人が増えてくる。

やっぱり…。

こういうことになるよね…。


「ハア……」


このまま、平穏は崩されていくのか…?


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