俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
暴走する俺様狼
「さーーーわむらさあんっっ!!」
「わあ」
…教室に入るなりこうだった。
「澤村さんねえちょっと!」
「悠由ちゃん篠原先輩と知り合いなの!?」
「どどどどういう関係どういう関係っ?」
「え、ええと……」
思いっきりたじろいでおろおろしていると、ありがたーいありがたあぁーーい、救いの手がなんと二つも差し伸べられた。
「まーまーちょっと落ち着こうねー」
「そうよっ。あたしの悠由がびっくりしてるじゃなあい」
「し、翔くん…杏子!」
わあ。わあ~!
友達って……友達ってなんて素敵なの!?
「ヘンに感動してないで、ほらちょっとこっち来なさいな」
杏子が呆れた顔を作りながらあたしの腕を引っ張る。
「…なんだって?」
「へ?」
「先輩よっ。わざわざ教室に来るなんて…」
ああ…。だよね…。
でも結局「もういい」とか言われたんだよね…。
「はあっ? なにそれ!」
「つーかなんで一時間も帰ってこなかったわけ?」
さらに呆れる杏子に、ニヤニヤと変な笑顔を貼り付ける翔くん。