俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

―――……


「どーしてくれるんですかぁ」


「さあ」


「さあじゃねーですよ! おかげで『はい』って言っちゃったよぅ…」


「なにに?」


…場所は変わって先輩の部屋。

帰り道からずーーっと、あたしは文句を言いっぱなしだった。


「…篠原先輩と付き合ってるのって言われて…」


なんで教室に来ただけで分かっちゃうのか、不思議だ。

女のカンってやつなのだろうか。

その子曰く「だってあたし達見るときは『失せろ』って感じなのに全然違ったんだもん」だそうだ。


失せろって感じって…。

アナタ一体なにを思って人を見てるんですか。


「へー。じゃあもう遠慮しなくていいわけだ」


「イエ。なるたけ色々遠慮してください」


この人が遠慮しないって言ったらなんかオソロシイことになりそうだから!


「それにほんの数人の女の子しか知らないんだよ」


効果があるとは思わないけど、一応口止めしておいた。

そこまで急速には広まらないはず。


「んなもんあっという間に知れ渡る」


先輩も……一応、自分の人気は自覚してるんだね。


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