俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
ゴロッとベッドに上半身を倒した先輩。
隣に座っているあたしは、初めて見下ろす先輩の顔にちょっとドキドキした。
「どうした?」
「えっ…」
「なに見惚れてんの」
「え"っ…」
み、見惚れてました?
慌ててそっぽを向き挙動不審に目を泳がせていると、ふと、隣で人の気配が動いた気がした。
その次の瞬間、膝に重みが乗っかった。
「へ……」
とっさに自分の膝を見遣ると、右手をあたしの腰に回して、いわゆる膝枕状態で目を閉じる先輩がいた。
「へっ……」
「……」
「あ、あのちょっと先輩?」
「…寝る」
寝るって今から!?
五時なんですけど…。
ていうか、ていうか…。
言いたいことがありすぎてもはやなにを言いたいのかが自分で分からない。
ただ呆然と、きょろきょろするばかりだった。