俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
しばらくすると、先輩は本当に眠ってしまった。
寝不足なのか…なんなのか…。
よく寝られるなあ。
「……」
…あ。なんだろ。
なんか……可愛い…。
腰に抱きついてきていて、甘えてるように見える。
胸がきゅうんっと締め付けられた。
思わず、手持ち無沙汰だった手を伸ばし、そうっと髪の毛に触れる。
「……」
抱きしめたい……。
「…はっ」
いいい今のあたしじゃないかんね!
そんなこと、おおお思うわけなっ、なっ…。
「はっ……」
また一人で挙動不審に…。
いつか先輩に言われるよ。
「やっぱお前ヘン」って…。
下手なこと言われるより、ずばっと「ヘン」って言われたほうが何気に傷つくからなー。
そうこうしているうちに、いつのまにやら三十分も経過していた。
「あ」
ふと見下ろせば、頭を撫でている先輩の目がパッチリ開いている。
恥ずかしくなり、慌てて手を引っ込めた。