俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
人の噂も七十五日…?
――篠原龍樹に彼女騒動から数日が経った。
噂は案の定広がりまくっていた。
もう二年生で知らない人はいないんじゃないかってくらい。
「あっ澤村さん! 篠原先輩と付き合ってるってホント?」
「えっ…いや…その…」
あたしは顔も知らないような人から度々聞かれる。
そのたんびに杏子がどこからともなく飛んできて、助けてくれるんだ。
「ありがとう…杏子」
「まったく…。あんた嘘つくの下手すぎだから!」
この台詞も何回聞いたことだろう。
一回認めたからこういうことになってんのよ、と杏子から何度もお説教を受けた。
「ホーント大変そうね?」
懐かしいくらいの柔らかな声が、頭の上に降ってきた。
「み、美紅ちゃん!!」
わーっわーっ。久しぶりだぁ!
美紅ちゃんに彼氏ができたと聞いてから一度も会っていなかった。
同じ学校同じ学年なのに、不思議なくらいに。
「ひさしぶりぃ~~っ❤❤」
「あら~よしよし」
思わず抱きつくと、いつも先輩がしてくれるみたいに頭を撫でてくれた。