俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
先輩とお勉強
…というわけで
ピーンポーン
「せーんーぱいっ」
あっそびーましょーっのノリでインターホン越しに呼びかけた。
間もなく扉が開くと、「えらく早いな」と言いながら先輩が出てきた。
「早くないですよ! なんですか人がいつも遅れてるみたいに。先輩が早すぎるんだよ」
待ち合わせしてても、十分以上前から待ってるみたいだし。
なんでいつも待たせてるんだろう?って思って早めに行ってももういるし。
「つか……なにその可愛いカッコ。誘ってんの?」
「違うと思う」
すぐそういう発想にいたる先輩の頭の中は一体どうなってんだろうか。
…ていうか今、何気に可愛いカッコとか言わなかった…?
……。
ほ、ほんとかな…。
特にどこも行く予定ないし、家の中バージョンで相当張り切ってみたんだけど。
…といっても、暑いしラクさ優先で、上はキャミソールに半そでの淡いブルーのカーディガンを羽織り、下はショートパンツのみといういかにも涼しげなやつ。
でも普段の家でのあたしの格好思えば、相当気合入れてるほう。
なにがってまず、ショーパンなんてあたし履かないし。
大概ママのお下がりのワンピを何種類か着回し。
ちょっと若者っぽい服着てみました…。えへへ。
「ああ…つい三十分くらい前まで千絵が来ててな」
リビングの、普段からは考えようもつかない散らかりっぷり。
それを目にし、げんなりと頭を抱える先輩。