俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

――およそ五分後。

キス魔降臨篠原龍樹に酔わされて、力が抜けまくっているあたしは、先輩の胸にもたれかかっていた。


「あ…。アイス…溶けちゃった」


「キス魔ですから」


根に持ってる!!

こないだぽろっと言った「先輩はキス魔」、根に持ってる!!

しかもこんな形で!?


「抱きたかった…」


「……」


今なんか……。

なんか聞こえた。

なーんか、聞こえた気がするよ?


…あ、気のせい?

なんだ気のせいか。


「おべんきょしにきたのに、そうじゃない時間のが長かった気がする」


本当はそうでもないのに。

最初のお片づけと合わせても、お勉強してた時間のほうが長いだろう。

まあ感じ方の問題だよね。


「今も勉強しただろ」


「へ?」


「大人の」


「いらない!!」


そんな勉強いらないんですけど!?



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