俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
「……」
それきりなぜか黙ってしまうと、甘える子どものようにあたしを抱きしめた。
「先輩?」
やだ…。
可愛い…❤
やっぱ好き!
あたしの肩に顎を乗せる先輩の背中に、両手を回した。
微かに聞こえる先輩の息遣い。
こんな近くにいるんだな…って思えて、自然と口元が綻んだ。
「…マジ好き」
急にそんなことを囁かれ、耳からボッと顔中発火しそうな勢いで真っ赤になる。
な、なんか…。
こういうストレートな言葉って照れるよね。
あ、あはは、はは…。
「…うん…」
恥ずかしくってそれしか返せなかったけど、先輩は満足そうに「ん」と頷いてくれた。
――…このとき…。
先輩がずっと、一人で悩んでたなんて。
あたしは何も知らなかった。
そしてそれは、間もなくして知ることとなる。