俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
告げられた決意
――八月上旬。
とある吉日、待ち合わせをしているあたしは小走りにその場所へ向かっていた。
待ち合わせ時刻五分前!
キキーーッ
…と音がしそうなほどの勢いで足を止める。
そこには。
「……なんて素敵…」
じいぃぃーん…。感動。
待ち合わせ時刻前に着いても、当たり前のような顔して待ってる人がいない!!
なんて素敵なの!
自分が遅刻しまくった気にならないわっ。
「なーに一人でカンゲキしてんのよー」
「どうせあれよ。先輩とのラブラブ話でも思い出してたんじゃない?」
「み、美紅ちゃん…杏子」
杏子それ…どういう意味?
…はい。そうですね。
お察しの通り。
約束していた遠出の日です…♪
駅前集合って言われてルンルンで来たわけです。
「杏子違うよ! あのね?」
そういえば杏子にも言ってなかったなこれ。
先輩不思議なんだよ? と、これまでの遅刻気分話を教えてあげた。