俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
別離への不安
――あれから数週間。
聞きたくなかった先輩の決意を聞いてから、数週間が経った。
夏休みもすっかり終わり、明日は始業式。
先輩とは以降あの話をしていない。
「……ハァ」
その代わりといっちゃなんだけど、ため息をつくことが増えた様な気がする。
…分かってるんだ。
仕方ない…ってこと。
しょうがないよね、遠いんだから…。
でも、でも…。
卒業しちゃうだけじゃなくて、引越しもしちゃうなんて。
会えなく……なるんだよね。
でも…。
でもY大の推薦受けられるのはすごいよね。
あのサボり魔が推薦で行けるかもなんて!
喜ばなくっちゃ……。
「……」
なんか…。
卒業しちゃうっていうのもなんか実感わかないのに、まして遠くに行くっていわれても…イマイチぴんとこない。
でも会えないと思うとすごくすごく寂しい。
それに心配だよ。
今度は千絵さんもあたしもいないから、またご飯食べないんじゃないの?
面倒だからって言って…朝も、昼も。
もし体でも壊したら…。