俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

もっともなことを言いながら、手を止めてあたしのほうを見るママ。


「……?」


妙に真剣な表情をしているから、思わず身構えた。


「愛、よ」


「……」


「……」


「……」


…愛、ですとな?

…なにが?


「だからねー、んなもん愛で乗り越えればいーのよママとお父さんみたいに」


いや……まだ帰ってきてないんだから終わってないじゃん。

乗り越えたって言うのそれ?


「それに会えないわけじゃないんだから。会おうと思えばいつだって行けばいいのよ!」


ママが言うととても説得力がある。

会いたいの一心で、GWにお父さんのところにまで行ってしまった人だ。

その気になれば土日で行ってしまいそう。いつか。


「う、ん…」


愛がどーのというのはこの際聞かなかったことにして、前向きに考えることにした。


…そうだわ。

なにも会えないわけじゃないんだわ!

ちょっと回数が減るだけよ!


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