俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
「今日もあついわね~」
「そう思うなら離してよ~…」
「あら違うわよ。あなた達二人よ。んじゃね!」
あ。行ったよ。
さすが陸上部エース、超早い…。
呆然と宙を見つめていると、今まで気付かなかった声が耳に届いた。
「わあ。ほんとだったんだぁあの噂…」
「なんだ…聞いてたよりずっと可愛いじゃん澤村さん」
「ねー」
「ああ…誰がオトすか気になってたら」
「まさか篠原とはな」
「入学してきたときから狙ってたのに!」
……意外とあたし……拒否られてない…?
だってだって、言われてないよね。前みたくああいうの、言われてないよね?
「…気にしすぎだったんだよ」
「え?」
周りに聞こえなくらいの小さな声で、先輩が言った。
「アイツらが特殊だっただけ」
「……」
…の、ようで…。
神経質になりすぎてたかな?
でもこれで目立つようになったことに変わりはない……。