俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
――とある土曜日のこと。
「はっ……」
自分の携帯をふと見つめたとき、あることに気がついた。
「あああ!!」
……わ、忘れてた…。
ストラップ渡すの忘れてた!
ちょっ、いつの話あれ!?
もう一ヶ月とか経っちゃうよね?
「ど、どうしよう…」
先輩があまりに衝撃的なことを言うから、すっかり忘れてしまってたんだ。
ほんとにどうしよう~。
「……」
この際あのとき買ったやつだってことは忘れて今渡しちゃおっか。
…うん、そうしよう。
なんか自分で持ってるのって捨てられるより虚しい。
「…というわけでちょっと行ってきます!」
「はあ…いってらっしゃい。……というわけ? どういうわけ?」
首を捻る那智兄をほっぽいて、アポなし訪問することにした。
……ていうかフツーに、ただ単に連絡いれるの忘れてただけなんだけど…。
…しかし。
このとき連絡せずに行って、ほんっとーーーに、よかったな~と思う。
なぜなら、きっと…きっとこれじゃ、先輩は…。