俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
最終話 信頼・心の距離
弱った俺様狼
――ピーンポーン
何度目かになるチャイムをまた押した。
いつもなら一回で出てくるのに、二回目の時点でもしかして留守かな、とは思ったけど…。
「…やっぱいないのかな」
半分諦めかけたとき、カチッと微かに音がした。
「!」
すぐに、鍵が開けられたんだと気付いた。
急いでドアを開けると……。
「きゃあ!?」
…いつぞやは、ここでいきなり抱き寄せられたんだっけ。
だけど……今は違う。
明らかに、倒れこんできた。
「せ、先輩っ? 先輩どうかしたの、先輩!?」
…!
あつ……い…?
慌てて顔を覗きこむと、苦しげに顔を歪めてじんわりと汗をかく姿だった。
「熱あるの! 先輩?」
力なく倒れこんでこられると、さすがに重い。
なんとか玄関の中に入り込み、段になっているところに腰を下ろした。
「大丈夫?」
「…ん……。悠由だったから力抜けた…」