俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

「おかゆとか……雑炊とか、いらない?」


「いらない」


「食べなさい」


「……」


……てわけでまあ。

最終的に強制で、キッチンへ向かった。


…わあ。

お米はあるんだねさすがに。

調味料も、しょうゆとか基本的なのはあって…。

お野菜は買ってこなきゃ。


一通りチェックしたあと寝室に戻り、「お買い物行ってくるね。ちゃんと寝ててね?」と声をかけ、急いで近くのスーパーに走った。


適当に目に付いたものをバババババッとほおりこみ、そのままの勢いで走って戻る。

一番に寝室を覗くと、ちゃんと眠っているようだった。

安心して息をつくと、キッチンに立った。


十数分後、刻み野菜たっぷりの栄養満点雑炊を持って、再び先輩の眠る部屋へと向かう。


「せんぱーい?」


小声で呼びかけると、どうやら意識はあったらしくうっすらと目を開いた。


「できたよ、ほら。ちょっとだけでも食べて」


「……ん」


スプーンですくって少し冷ますと、上半身を起こすのを手伝う。

背中を支えるように片手を当てたまま、口元にスプーンを差し出した。


一瞬躊躇した先輩だったが、小さく口を開けてそれを含んだ。


……よかったぁ。

風邪のときこそ栄養取らないとねぇ。


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