俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

先輩はすごい有名人だ。

そのせいでひどい目に遭ったこともある。

だから先輩と付き合ってることは内緒…。


「えーとそのー……ちょっと…ね」


あはは、とごまかし笑いを浮かべながら、首筋を撫でた。


「ふーん…?」


納得はしていないようだったけど、それ以上はなにも聞いてこなかった。

よかった……。



放課後ホームルームが終わり、帰る支度をしているとき。


「なー澤村。一緒に帰らねえ?」


槙野くんが、机に軽く腰掛けながら声をかけてきた。


「あ……ごめんね。先約があるの」


「先約?」


「うん。…あ、じゃあまた明日ね!」


「あ、おい!」


急がないと……もう先輩待ってるかも!

五分以上待たせたら怒られちゃう。


槙野くんにややいい加減に手を振って、教室を飛び出した。

なんか今日は……急いでばっかだな。


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