俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

近付く別れと始まりと


家に帰ってしばらくして、先輩から電話があった。

一緒に帰らなかった日、お休みの日恒例のヤツだ。


「もしもしー?」


『めんどくさかった…』


第一声がこれ。

思わず笑いそうになる。


「お疲れ~…」


労いの言葉をかけ、しばらくなんでもない会話をした。


『受かれば家見に行くけど、一緒に行く?』


受かったらいいねっていう話をしたら、突如先輩がそう言った。


「行…………く」


行からくまでの間に、「行く行かない行く行かない」と何度も自問自答し、最終的にやっぱり行くことにしてしまった。

えへへ。


しっかし…。

いくら遺産みたいなものだといっても、一人で一軒家に住むなんて寂しそう可哀そう!


…なんて言えばまた…。


「慣れてるし」

とか

「じゃあお前来れば? …抱き枕として」

とか言われるに違いないんだ(実はいっぺん言ってる人)。


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