俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

――翌朝。

十回に一回くらいの割合で寝坊をするあたしは、今日もまた若干寝坊した。


「げっ……」


先輩、そうじゃなくても来るの早いんだから!

急がないと……。


遅刻するほどの時間でもないけれど、あの人妙に早い。

その理由が美紅ちゃんの言うとおりだったらば…。

このうえなく嬉しいんだけど。


「あ、ママおはよう! …手伝って? てへ♪」


「はいはい」


リビングに飛び込むと、ママはもう起きていた。

おどけながら頼んだら苦笑いで了承してくれた。


おかげですべての準備が終わったときは、いつもと同じくらいの時間。


「ありがと! いってきま~す」


ママに言って、靴を履きながら玄関を出た。


…お!

まだ来てなくないっ?


いつもの時間なのに、先輩はそこにいない。

なんかちょっと……ちょっと…。


優越か…


「行くぞ」


……ん……あ、ら?


「? なにしてんの」


「あ……はい」


いたんだね。


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