俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
微妙に、びみょ~~~に、ショックを受けて。
……いやだってさ、勝った(勝負じゃないけど)と思ったら負けてた(勝負じゃないけど)わけですよ?
なんとなく力抜けるんだよね。
「おいこら。どこ行く気だ」
「へぇ?」
…あ"。
「な、なんでも…えへへ」
あまりに上の空で、右に曲がるはずの所をまっすぐ行っていた。
先輩がいなかったら間違いなく迷子だよ。
いや先輩がいなかったら上の空にすらなんないか。
「お前元々いつでもボケてんだろが」
「……」
ボケてってちょっとアナタ。
なんですかなんですかそれ。
認知症のご老人じゃあるまいし。
目だけでじろじろ訴えているうちに、先輩は道の向こうへ行ってしまった。
「…ま、待ってよー!」
…慌てて追いかけた。
学校に着いても、今までと違い(縦に)並んで校門の中に入る。
噂は確かに留まることを知らなかったけど。
でも落ち着いてきたかなとは思う。