俺様狼と子猫少女の秘密の時間②


――てなわけでかれこれ一か月。

十月がそろそろ終わろうかという頃。

つまり!

あたしと先輩が出会って一年ちょっと。

付き合うようになってもーちょっとで一年❤❤❤


「時が経つのって……早いよね」


「なに急に」


しみじみと両手で頬杖を突き呟くあたしに、杏子はとことん冷たい。


「ほらさ。もうちょっとで冬じゃん? 先輩が先輩が…」


「んなことアンタが心配したってしょーがないでしょうに」


そうだけど…。


「それに推薦なんだから、筆記試験もないじゃない」


先輩が頑張るよーなことも大してないわ、と言う杏子はやっぱり冷たかった。


「もー杏子つめたいっ」


「そうね~あたしはいつまでも独りですからねぇ~」


最近杏子はなんだか卑屈になっている。

美紅ちゃんが彼氏とすぐに別れると思ってたらしい。

なのにまだ続いてるのがムカつく!! ……だそうだ。


「ま、あたしは男なんていらないからいいけどねっ」


じゃーそんなぴりぴりしなくたってぇ…。


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