俺様狼と子猫少女の秘密の時間②


「あたしのことはいいから、もう行きなさいな。いいの?」


「え?」


いいの? と言うのと同時に指差された先を見ると、それは時計。

そしてその針がさしているのはちょっと焦る時間だったりする。


「ご、ごめん! ばいばい杏子!」


慌てて手を振って、スクールバッグをひっつかんで教室を飛び出した。


一緒に帰るのは恒例のことなのに…!!

危うく忘れるところだったわっっ。


「お、お待たせしまし…」


……んん?


「彼女がいるのは知ってるんです!」


へっ……。


「それが二年の澤村先輩でとっても美人だから、かなわないってことも…」


は……。


「で、でも気持ちだけ伝えておきたかったんですっ」


ほ……。




「好きですっ篠原先輩!」


……。

…んなあっ!?



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