俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
ほっとしたような呆れたような複雑な表情を浮かべる先輩を、首を傾げて見つめた。
「ねー先輩。もうちょっとで十一月だねぇ」
「? ……そうだな」
「十一月だねぇ?」
「そう……だな…?」
……むう。
「じゅーいちがつぅ!」
「それがなんだよ?」
むっかぁ~~!
もー先輩のばかばかばかっ。
「…あ、そういえば」
「…ん?」
「お前が俺に惚れたのも去年の今頃だっ…」
「合ってるけど違うっ!」
あらゆる意味で合ってるっちゃ合ってるけど違うもん!
ニュアンスが違う! 言い方がちがーうっ。
「…じゃあなに?」
「え…」
いや……だから、付き合って一年とか?
そんな感じ?
「…まあなんでもいいけど」
「うっ…」
そ、そりゃ確かにニュアンスはどーだって…。