俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
喫茶店を出てすぐにあった公園になんとなく入り、ぶらぶらと彷徨って(間違い)いた。
「……さむ」
今言葉の端々に棘とイライラを感じたのはあたしだけでしょうか。
気のせいなんでしょうか。
いえ、そんなはずがない。
だってこの人は……そう!
もんのすごーーーく寒がりだっ。
「かっ、帰りましょっか。ね?」
「いい」
「うん、ですよね。よし……ん?」
いいって……え、いいの?
「なんで?」
「帰りたいわけ?」
「い、いえ別に…そういうわけでは」
なんだ…そっか。
「あそこ行く」
「え?」
先輩が指差した先は、よく陽が当たってあったかそうなベンチ。
「いいですねぇ」
ポケットに手を突っ込む先輩の腕に手を回し、すたこらと歩み寄った。