俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

ぼすんっと腰を下ろし、人気がないのをいいことに密かにくっついてみたりする。


「お休みの日なのに、静かだねぇ」


「あっちのほうは家族連れが結構いただろ」


「まあ…」


少し奥に入ると人がいなくなっちゃうんだ。

これはこれでまあ…いいかも……。


大胆にも(いうほどでもないけど)ぴっとりくっつくと、そうっと自分から腕をからめてみた。


「…人のこと言えねぇな」


くすりと笑みをこぼすと、ぽんぽん頭をなでながらそう言う先輩。


「キス魔よりはマシだもん」


「そ」


そっけないながらも、やっぱり笑いを含んだ声。

むっと睨みあげると、鼻の頭をつままれた。


「ふにゃっ」


「上目遣いで睨まれても」


「ぶう」


「クックックッ……」


な、なによなによもうっ!

先輩が鼻つまむから変な顔になっちゃうんだよ。


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