俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

先輩の不満そうな声も無視し、弾かれたように駆け出した。


「あ、こら!」


すぐに先輩の声が追いかけてくる。


「……あ!」


「あのな…急に…」


「見て見て先輩! 池だぁ…」


「あん?」


茂みを抜けたところに、大きくて水面のキラキラひかる湖みたいな池があった。


「きれーっきれーっ♪」


すっごぉい。

こんな奥があったなんて!


きゃっきゃとはしゃぐあたしを、先輩は苦笑いで見つめていた。


「あっ! お魚いるよ先輩!」


「ん?」


「ほら」


フェンスに手をかけて、池の真ん中あたりを指差した。

歩み寄ってきた先輩は、あたしの真後ろから覗き込む。

見上げるように後ろの先輩の顔を見て……ちょっとドキッとした。


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