俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
まるで忍び込むかのように、きょろきょろと辺りを見回して、兄貴の部屋へ入っていく。
誰もいねーんだろうが…。
相変わらずおもしれぇやつだな。
「んー…これとかは?」
「なんでもいいよ」
「じゃあーこれとこれ! 那智兄が着るより絶対似合う…❤」
「……」
選ぶだけ選ぶと、「ついでだからここで着替えてください」と言い、部屋を出て行った。
ついでってお前…。
なんで人の部屋で人の服…。
しかも相手は悠由の兄貴だし。
やりにくさを感じながらも、仕方ないのでそこで着替えた。
「そいじゃ行きましょ!」
下に降りると、妙に可愛らしい格好をした悠由が玄関口にいた。
思わず凝視してしまう。
「先輩?」
首を傾げる仕草までもが可愛らしい。
こんなにワンピースが似合うやつがいるか?
イメージに合いすぎる。