俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
初めての痛み
事の発端は、この数日後だった。
屋上に行くときまた、槙野くんが待っていて…。
それで先輩は、珍しく行くのが遅かったんだ。
「じゃね杏子っ」
「はいはーい」
お弁当を胸に抱え、ほくほくしながら廊下を歩く。
毎日この時間が…とっても楽しみなんだ。
階段を上がろうと、くるりと階段のほうに体を向けた。
「にゃ!?」
どんっと勢いよくなにかにぶつかった。
鼻を押さえながら頭を上げると。
「え…ま、槙野くん!」
「よっ」
そのぶつかったなにかは、他でもない槙野くんだった。
「な、なんで!?」
驚いてつい、指を指してしまう。
なんでこんなとこに…。
ていうかっていうか…!
「まー落ち着けって」
あなたのせいでしょ!