俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

「仲直りよ! 仲直りなのよっっ!」


妙に気合が入りまくっている。心なしか室温が上がった気が…。


「仲…直り」


「そうよ。あんたいつまでも死んでらんないでしょ?」


死んでないし。


「とにかく仲直りなの」


「はあ…」


しかしはっきり言ってしまえば。

それができれば苦労しない、ってやつなのだ。


「あたしに任せなさいな♪」


「え?」


胸を張って言い切る杏子に少しだけ期待した。


期待……したのに。


「体が一番正直なんだから、赴くままに動くべし!」



…期待したあたしが……馬鹿でした。


だからね?

それができれば苦労しない、ってやつだって言ってるじゃん。


杏子直伝、仲直りの方法は、まったく心に響かなかった。

……このときは――…。


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