俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

――龍樹サイド――


「久々に荒れてますなー…」


勝手に上がりこんでいる薫の馬鹿が、だいぶ距離をとってそうこぼす。

それほどまでに……俺は機嫌が悪かった。


「さっさと帰れこの馬鹿」


「いやー俺はね? 君を心配してー…わあ!」


ぶんっと勢いよくクッションを投げつけると、見事に顔にヒットした。


「とにかく消えろ。…一生」


「一生!? 一生って…」


とかなんとか言いながら、まったく聞く耳を持つ気はなさそうで。

クッションを手にのこのことソファへ戻ってくる。


「なになになーに? 悠由ちゃん現れてからこっち、ずいぶん落ち着いてたのに」


「……」


だからだよ、とは言えなかった。

しかもその後に続けて思いっきり図星をついてきやがる。


「なに、まさか喧嘩でもしたとか? …まそんなわけはねーか!」


「……」


「………え、なに。まさか…マジ?」


…ハア…。

いちいち穿り返すようなこと言うなよ…。


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