俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
――悠由サイド――
結局杏子は同じことしか言わないし、自分でもなんともできず、さらに三日が過ぎていった。
明日からお休みだ。
どうしよう?
ちらっと時計を見ると、十二時過ぎ。
いつもなら、そろそろ先輩に会えると思ってとても浮かれている時間だ。
「ハァ」
短く息を吐き、頬杖をついた。
「…どーしたの? 最近元気ないじゃーん」
「!」
潜めた声が、隣からかかる。
ドキッと心臓が跳ね、ゆっくりそちらを振り返った。
「……槙野くん」
「彼氏と喧嘩でもした?」
「っ…!」
わざとだ。
面白がってるんだ。
なんで?
こんなことして…なにが楽しいの?
彼になにか得があるとも思えない。