俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

目を閉じて、机につっぷした。

やだなもう…こういうはっきりしない状況。


「ハア…」


「澤村聞いてんのかー?」


「えっ…あ、は、はいっ」


びくんと肩を揺らし、立ち上がる。


「じゃあここ解け」


「無理です」


「…あのな」


きっぱりと言い切ったあたしを、何人かがくすくす笑う。


だって数学じゃん。

無理無理。

数字の羅列がもうなんかの暗号みたい。


「本番ではちゃんとできるのに…なんでそうなんだ」


「え…へ?」


テスト前は…今までは那智兄に、最近は先輩に教えてもらっ……。


……もう…先輩とお勉強できないのかな…。



「まあいい。早く座れ」


「はい…」


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